オフショア開発を検討していて、受託型開発とラボ型開発のどちらの体制をとったらいいか迷っていませんか?オフショア開発を成功させるためには、プロジェクトに合わせた開発体制が大切です。
適切な開発体制をとらないと、開発までの時間が予定よりも長くかかってしまうことがあります。また、費用の面においても、想定よりも費用がかかってしまう可能性があるのです。
オフショア開発を成功させるためには、どうすればよいのでしょうか?
それは、プロジェクトの目的や期間に合わせて開発体制を整えることが重要です。さっそく、受託型開発とラボ型開発の違いや、適したプロジェクトのケースをみてみましょう。
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オフショア開発の受託型とラボ型の違いは契約形態
オフショア開発には、大きく分けると受託型開発とラボ型開発の2つです。
・受託型開発=請負契約
・ラボ型開発=準委任契約
この2つの違いを以下で解説します。
受託型開発は請負契約
受託型開発は請負契約です。自社で作成したプロジェクトを依頼するオフショア開発会社が期日までに納品する開発体制です。
要件や仕様は事前に自社で作成しておき、上流工程から下流工程までを計画的に進めることになります。いわゆる*ウォーターフォール型開発です。そのため、納期までの期間やプロジェクトの進行が円滑に進んでいるか把握しやすくなります。
受託型開発の場合、開発チームの構築や工程管理を行うのは、依頼先のオフショア開発会社です。プロジェクトマネージャーを自社から含めることで、進捗の管理をスムーズに行うことができます。
受託型開発のコストの算定やスケジュールの設定は、依頼するオフショア開発会社の開発工数によって決まります。開発途中で仕様変更等が発生した場合は、追加の費用が必要です。
*ウォーターフォール型とは、開発手順を1つずつ確認しながら、作業工程を順番に進めていく手法。
ラボ型開発は準委任契約
ラボ型開発は準委任契約にあたります。依頼先のオフショア開発会社に、一定期間、自社専用のプロジェクトチームを設定して、開発体制を構築します。
仕様や要件が正確に決まっていないプロジェクトを進めていくことが多く、フィードバック重ねていくことが重要です。フィードバックをもとに仕様をブラッシュアップしていき、プロジェクトの目的を達成していきます。この進め方は*アジャイル開発と呼ばれています。
ラボ型開発のコストの算定は、ITリソースの人件費です。人員1人にかかる月あたりの価格によって決まります。月単価×人数×プロジェクト期間としたものが、開発コストになります。
*アジャイル開発とは、クライアントの要望や目的を達成するために、できる限り素早くリリースするための開発手法。
オフショア開発で受託型開発が向いているケース
オフショア開発で受託型開発が向いているケースは3つあります。
・ケース1:単発、小規模な案件
・ケース2:詳細な仕様書がある
・ケース3:社内の人材リソースの代わりをしてほしい
これらのケースに当てはまる場合、受託型開発をおすすめします。
ケース1:単発、小規模な案件
プロジェクトの開発が小規模な場合や、1回限りといった単発案件の場合です。この場合、ラボ型開発より受託型開発のほうが向いています。
プロジェクトの開発のために、依頼先のオフショア開発会社に数ヶ月単位の専属プロジェクトチームの構築してもらう必要がないからです。プロジェクトチームを作るまでに、時間とコストがかかってしまい、開発依頼の案件に対して費用対効果が小さくなってしまいます。
単発依頼の場合は、品質と納期が保障されている受託型開発のほうがおすすめです。
ケース2:詳細な仕様書がある
詳細な仕様書が完成している場合、受託型開発が向いています。要件や仕様書の変更がないため、開発途中で仕様変更による遅延や開発工程を戻るようなことがありません。
そのため、納期までのスケジュール管理がしやすく、高い品質が見込めます。納期の遅れなども心配なく進められます。
ケース3:社内の人材リソースの代わりをしてほしい
受託型開発の場合、ITリソースの検討からプロジェクト管理までを、依頼するオフショア開発会社が行います。
そのため、自社のメンバーがマネジメントや作業に時間をとられてしまい、他の業務ができないといったようなことがなく、時間的リソースの削減が可能です。
社内の人材リソースの代わりを探している方には、受託型開発を検討してみると良いでしょう。
オフショア開発のラボ型開発が向いているケース
オフショア開発のラボ型開発が向いているケースは3つあります。
・ケース1:大規模・長期案件
・ケース2:柔軟な対応が求められる場合
・ケース3:リリース後も改修が必要と考えられる場合
これらのケースに当てはまる場合は、ラボ型開発をおすすめします。
ケース1:大規模・長期案件
プロジェクトが大規模・長期案件などの依頼をする場合です。この場合は、オフショア開発会社に一定期間、自社専用のプロジェクトチームを構築したほうが効率的です。
専属チームができるため、ITリソースを確保することができます。半年以上の案件を抱えている場合は、ラボ型開発がおすすめです。
ケース2:柔軟な対応が求められる場合
ラボ型開発では、自社専用のITリソースが中長期にわたって活動します。そのため、仕様変更や修正依頼があった場合でも、すぐに対応可能です。
IT開発の場合、機能の追加や仕様変更が求められることが多く、柔軟に対応できることはラボ型開発のメリットの1つです。
ケース3:リリース後も改修が必要と考えられる場合
リリース後も改修が必要であると考えられる場合は、オフショア開発の中でも、ラボ型開発がおすすめです。
自社専用のプロジェクトチームがあるため、サービスをリリースするまでに技術的なノウハウなどが蓄積していきます。IT開発の場合、サービスをリリースして完了ということが少なく、運用や保守を行う必要があります。
中長期的なITサービスの管理、運用する場合、ノウハウを蓄積した社内専用プロジェクトチームを持っていることでITサービスの改修作業が素早く行えることが特徴の1つです。
受託開発とラボ型開発は、プロジェクトによって選択する!
オフショア開発をする際に、受託開発とラボ型開発を選ぶ必要があります。現在抱えているプロジェクトによって、受託型開発の方が適している場合や、ラボ型開発の方が適している場合があるでしょう。
比較的短い案件や、仕様書がはっきりと確定している場合は、受託型開発がおすすめです。反対に、長期の案件や、プロジェクトの目的は定まっているが、仕様などの変更が今後も見込まれる場合は、ラボ型開発がおすすめです。
それぞれのプロジェクトに適した開発体制を構築することで、自社のリソースを最大限に活用することが可能になります。
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