オフショア開発とは何なのか聞いたことはあるけど、よくわからないという方がいるのではないでしょうか？オフショアは「岸の向こう側」や「海外」といった意味があります。
ITサービスなどをリリースしたい時に、「自社のリソースでは難しい状況」、「コストを削減したい」という悩みを抱えている方におすすめなのが、オフショア開発です。
オフショア開発は業務を海外委託することです。上記の悩みを解決する手段として利用している企業も多いです。そんなオフショア開発について、詳しく解説します。
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オフショア開発はIT業務を海外委託すること
オフショア開発とは、主にIT業務などを海外委託することです。ソフトウェアやITサービスを海外の事業者に委託したいときに利用します。
ITサービスの営業や企画は日本で行い、製造や実装、テストなどの下流工程を海外で行うという形で利用されるケースが多いです。
例えば、企画や仕様等の設計段階まで終わっているが、製造、実装がまだという時に、外部に委託し、時間やコストの削減につながるために利用するという方法です。
その方法として、オフショア開発が利用されています。
オフショア開発の目的は人件費削減と人材確保
オフショア開発の大きな目的は2つです。
・人件費削減
・人材確保
この2つの目的について順に解説します。
目的1：人件費削減
オフショア開発の目的の多くは人件費削減です。人件費の安い国に外部委託することによて、開発コストを削減することが可能になります。
国内で発注する場合に比べ、安い国や地域に依頼すると3分の1以下に抑えられることもあるのです。
エンジニアのスキルは日本と変わらないこともほとんどで、同等かそれ以上のスキル持つエンジニアをローコストで確保することができるのです。
目的2：人材確保
現在日本では、ITエンジニアが不足しています。そのため、エンジニアを確保することが難しい状態です。しかし、オフショア開発先の会社次第では、エンジニアが十分に確保することができます。
エンジニアは十分な教育を受けているため、エンジニアとしての高いITスキルを持っています。ベトナムなどの国では教育に国策として力をいれており、エンジニアスキルが高い人材が非常に多く存在する国の1つです。
オフショア開発の多くがベトナムで行われている
現在、ベトナムはオフショア開発の依頼先として、非常に多く選ばれています。ベトナムは2020年の日本のオフショア開発の依頼先としてもっとも選ばれている国です。
割合は全体の約半分となっており、他国と比べて圧倒的な割合となっています。では、なぜベトナムが依頼先として選ばれているのでしょうか？
次の章では、ベトナムがオフショア開発の依頼先として多く選ばれている理由を解説していきます。
出典：『オフショア開発白書（2021年版）』
ベトナムは若くて優秀な人材が多い
ベトナムで盛んにオフショア開発が行われている理由は、優秀な人材が多いことが挙げられます。また、ベトナムのIT人材の半分以上が30歳未満と、若い人材が豊富です。
ベトナムは国策として、IT教育の環境を整備しています。ITエンジニアとして働く人材は2019年現在40万人となっており、今後も増える見込みです。
レベルが高い人材が数多く存在し、地理的にも日本から近く、親日国でもあります。そのため、日本企業のオフショア開発先として大変人気があるのです。
今までは、給与水準などが低い状態でしたが、人気が高まり、ベトナムの賃金上昇率が12~18%と毎年上昇している状態です。このまま賃金上昇が続くと、コスト削減を目的とする企業はベトナム意外の国を検討する状況になるでしょう。
ポストベトナムの候補の国
需要増加によるベトナムの賃金上昇などにともない、ベトナム以外の国を求める企業が増えています。そんなポストベトナムになる国は、ミャンマー、バングラデシュなどが候補になっています。
これらの国はベトナムに比べるとさらに人件費が安く、若いITスキルをもったエンジニアも多いため、候補になりうる国です。
また、地理的にも近いため、時差が少なく急な対応や、現地に出向く際の時間を削減することができます。近い将来、これらの国がオフショア開発の候補としてポストベトナムになりうる可能性があります。
現在オフショア開発が盛んに行われている5つの国
現在、オフショア開発が盛んに行われている国は次の通りです。また、5つの国は日本のオフショア開発の委託先としてもよく選ばれています。
・ベトナム
・中国
・フィリピン
・インド
・ミャンマー
オフショア開発が盛んに行われている代表的な5つの国を順に紹介していきます。
ベトナム
ベトナムは、日本企業のオフショア開発先として約半分を占める国です。若くて優秀なIT人材が多く、人件費が日本の約3分の1程度と安いため選ばれてきました。
ベトナムは、IT人材を増やすべく、国策としてインフラ設備や教育に投資しています。これからの成長が大きく期待されている国の１つです。
日本との関わりを持つオフショア開発会社が多く存在するため、今までにオフショア開発の経験がない場合は、おすすめの国の1つです。
中国
中国は、巨大IT企業が多数存在しています。その筆頭がバイドゥやテンセントです。最新技術などを取り扱っているオフショア開発会社が多数存在しています。
しかし、人件費が高騰していることもあり、近年では中国から別の国の委託先に変更している企業も増えています。人件費は高くてコスト削減には繋がらないかもしれませんが、最新技術を要する場合はおすすめです。
フィリピン
フィリピンも日本から近く、時差も1時間と中国と変わらないため人気がある国の1つです。コミュニケーションに関しては英語が公用語になっているため、スムーズに行えるのもフィリピンが選ばれる理由になっています。
フィリピンはアメリカとの繋がりも深く、高い開発スキルを持ち合わせた人材が多数存在するのも特徴の１つです。
インド
インドは、欧米諸国のオフショア開発の地として昔から重宝されています。インド式計算と呼ばれる計算法で有名で、数字やデータに強いエンジニアが多いです。
欧米との取引があり、実績が豊富なオフショア開発会社が多数存在しています。欧米と取引が多いこともあり、最新技術を持ち合わせた技術力が高いエンジニアも多くいます。
公用語が英語であるため、比較的コミュニケーションがとりやすいのも特徴です。
ミャンマー
ミャンマーは、日本語教育に力を入れていることもあり、日本語でコミュニケーションが取れるエンジニアが多数います。
国策としてIT教育に力を入れていく見込みで、実績としては少ないものの、将来性が見込める国です。
また、ミャンマー人は勤勉で協調性のある国民性のため、チームで働くような日本企業にとっては相性のいい国でしょう。
オフショア開発の注目度は高くなっている
オフショア開発の注目度は今後も高くなっていくと予想されています。日本では、2030年に深刻なIT人材の不足が懸念されています。
今までは人件費削減のためだけに利用されていたかもしれません。しかし、今後は「優秀な人材を採用するため」というように、人件費削減の部分とは反するような需要が増えてくることが推測できます。
早めにオフショア開発をすることによって、IT人材の不足を未然に防ぐ取り組みを進めてみてはいかがでしょうか？
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